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「おい、ツヴェルグ、この間のデモ見なかったか?」
「また、デモですか?最近研磨の練習でテレビも見てないのでよく知らないんですよ。どこでデモですか?ついにノースコリアでも始まりましたか?」 「そのデモじゃ無いぞ、ツヴェルグ!デモンストレーターだ!」 「なんすかそれ?」 「あぁ、ここに置いてあった146のデモンストレーターだ!」 「ああ。はいはい、透明なやつですね!あれなら、昨日、東京に送りました。 販売統括部のシュワンツさんに頼まれちゃって・・・。なんでもどうしても 欲しいって話で・・・。」 「シュワンツか・・・やつめ、また出し抜きやがった。あれは工場見学の連中にみせるのにちょうど良かったのに、売っちまったのかやつめ!」 「写真じゃだめですかね?撮っておきました。」 ![]() ![]() 「なんだかわかりにくいな・・・これはおまえ、首軸のソケットまでクリアで成形してもらったんだぞ。ペン芯からインクが抜けていく様がよく分かってよかったのによぉ」 「そんなに貴重だったのですか?」 「20本くらいしかつくってねぇんだ。 しょうがねぇ、大昔の136デモで来週の工場見学は説明すっか・・。」 「へぇこんなのあるんですねぇ、どうしたんです?」 ![]() ![]() ![]() 「これはハンブルグのコレクターからわざわざ買い戻したんだ」 「いくらで?」 「それは言えねぇよ。機密費だ」 「ロンドンのポンドケースに売ったらどうですか?すごいたくさんビール飲めますよ」 「うーん、魅惑的な響きだな・・・・」 <登場人物> シュテュック技師長:モンブラン・ハンブルグ工場マイスター ツヴェルグ :モンブラン・ハンブルグ工場生産管理部班長 シュワンツ :モンブラン 本社 販売統括部 ※この物語は登場製品以外すべてフィクションにて候 <解説> ほぼすべてのモデルにデモンストレーターが存在するが、 モンブランのモデルはレギュラーモデルのデモンストレーターは非売品。 わずかに作られるのみなのでどれも希少だ。 一部がノーマル部品だったり、古いモデルのパーツを使用していたりと 様々な仕様がある。 最近ではアルチザンシリーズにクリアなアクリルと思われる 高級モデルに透明な軸が使用されている。 ペリカンのようにレギュラーモデルには設定が無い。
「おい、ツヴェルグ、このまえ東京から来た146のリフレッシュはどうなってる?」
「はい、シュテュック技師長、今、キャップをバフ掛けしてます。 ああああっっ、やばい、やっちまったかも知れませんですぅ!」 「おい、おい、またか!ツヴェルグぅ。頼むぜ。いつになったらチカラ加減覚えるんだよ」 「どうしよう・・・見てください技師長!キャップトップが変形してるぅ。あぁ、また給料さがっちまう。。。こんなだったらロンドンのポンドケースにいればよかった。。。」 「なにぶつぶつ言ってるんだ。見せてみろ。」 「これなんですけど。。。」 ![]() 「ロンドンじゃこういうのは見れないだろうな。これはドーム型といって最初期型のキャップトップだ。しかも見ろ、カゼインのホワイトスターだ。こりゃめずらしい」 「えーっ元々こんなカタチなんですか?」 「やっぱりおまえの目は節穴だな。。。そのドングリ眼を見て良く見て見ろ。でかい目を有効に使え」 「そう言われてみると、何となく・・・・」 「何となくってなんだ、ルーペで見なくても比べれば分かるだろう」 ![]() 「あぁ、違います、違います、左と真ん中のスチールニブのやつは 上がちょっとフラット気味でぼってりしてる」 「やっと気づいたか!ほら、こうして比べると色の違いがよく分かる。カゼインだからヘアクラックが入ってしまってるがどうだ、ここだけの違いなのにがっしりとたくましい感じがするだろう?」 ![]() 「ええ、たしかに。なぜこんなカタチなんでしょうか?」 「実はデザイナーが前の139のフラットトップのイメージ引きずってしまって、ちょっとびびってたんだ。」 ![]() 「並べてみると後のタイプのほうが確かにスタイリッシュですが、ドーム型の方 が無骨で男性的な気がします。」 「これからは女性にも使ってもらえないとやって行けねぇからってんで社長決裁でデザイン変えたんだ。」 「後期型の方がたしかに女性的ラインですね。でも、よかったぁ、給料下がらなくて」 <登場人物> シュテュック技師長:モンブラン・ハンブルグ工場マイスター ツヴェルグ :モンブラン・ハンブルグ工場生産管理部班長 ※この物語は登場製品以外すべてフィクションにて候 <解説> ファーストイヤーモデルのキャップトップは無骨なドーム型で“146”の刻印が尻軸にあるものはスチールニブ、“146G”はゴールドニブがついていおり、ごく初期には“136”のペン芯やニブが使用された。 クリップはトサカクリップでキャップトップ側にノッチが入る。 ホワイトスターにカゼインがつくのは非常に希。 インクウィンドウはロング、ペン芯はフラットだ。 時代が下がるにつれてパーツが混在して来ていろいろな組み合わせで生産されていた。
「ツヴェルグ、これ見て見ろ」
「何ですか?シュテュックさん、いつものフラットフィードですね?」 ![]() 「やっぱりおまえの目は節穴だな。。。そのドングリ眼を見て良く見て見ろ。でかい目を有効に使え」 「そう言われてもですね・・・・」 「久しぶりの登場なんだ。更新しろってGinzaのオヤジがうるさいからやっと見つけたネタなんだ。おいおい!ルーペで見なくても分かるだろう」 「あぁ、溝幅が違います!」 「やっと気づいたか!よぉし、おまえにも教えてやる。」 「あ、ありがとうございます!でもシュテュック技師長、たぶんこれくらいに違いはもうみんな知ってるんじゃ?」 「んー?まぁ、そうかもな。まぁいいさ、こっちの右側のと比較してみろ」 ![]() 「幅がまっすぐですね。段が無い。それに付け根の切り方も違います。なぜですか?」 「なぜって、そりゃぁおまえこっちの方が良いと思ったからさ。」 「何がいいんですか?」 「溝が太いんだから、より多くのインクを含めるし、空気の流入抵抗も下げられるだろ?」 ![]() 「それで、ひだりの細溝タイプはすぐ止めちゃったんですか?」 「まぁな。半年ぐらいで太いのに変えた」 「で、効果上がりました?」 「何の?」 「いや、ですからインクとか空気のとことか・・・」 「そりゃ、お前見た感じがちがうんだから当然よ」 「どのくらい?」 「お前、ドイツ人なら日々進化しなけりゃ行けないことくらいわかるだろ?少しでも改善するのがあたりまえだろうが」 「書いた感じは・・・確かにちがうか・・・」 「やっと分かるようになってきな。そう思う心が大事だぞ!」 「・・・・・。」 <登場人物> シュテュック技師長:モンブラン・ハンブルグ工場マイスター ツヴェルグ :モンブラン・ハンブルグ工場生産管理部班長 ※この物語は登場製品以外すべてフィクションにて候 <解説> モデル136のペン芯を当初流用していたがその直後わずかな期間 生産されていたと思われるペン芯。 裏側の溝が細く段付きでないのが特徴。 インクが通る表側(ペンの裏側に当たる部分)の溝の幅も異なる。 ![]()
▶ 珍奇なる50年代146の尻軸
お久しぶりでごいます。 しばらく惚けておりまして、ブログをお休みしておりました。 今日は、また、50年代の146に戻ります。 以前お話していましたが、この時期のモンブランは 内部パーツに柄物のセルロイドを使っていることがありました。 こんな風に。これは149のキャップです。 ![]() 以前はこんなものもありました。 今回は、これ! ![]() なんと尻軸の先端からグレー縞が覗いている! 表面もパール粉が浮いている・・・。 ハンブルグの工場ではこんな会話が聞こえてきそうだ。 「マイスター!尻軸のブラック在庫が後10個で切れそうでーす!」 「なにぃ?だからトヨタのカンバン方式取り入れろって工場長にいったんだ!どうすんだ!」 「グレーならまだ在庫あるんでこうしたらどうっすか?」 「どうすんだ、ツヴェルグ?」 「バレルに塗ってる黒のメルト・セルロイドで塗っちまいますか?上から刻印打てばばれないっすよ」 「ほんとか?そうだな!ライン止めるよりはましだな!」 「はい、マイスター!やりまーす!バレルのラインに放り込んできます」 「ほんとに大丈夫か?ペンクラスターの親父にばれないか?」 「大丈夫ですよ、そんな先のことはどうでもいいんです。」 「それもそうだな!よし!よくやった!ほんとだわかんねぇな!」 ・ ・ ・ しかし、ばれてしまった。刻印が上から打ってあるので 塗った後に刻印を打ったことが伺える。 もしかしたら、交換パーツ対応だったかもしれない。 いずれにしても珍奇な。。。 こちらの146です。
昨日で、一応60sモデルは終了です。
70sに行こうと思いましたが、あまり面白くないので こんなものはいかがかと。 ![]() マイスターシュテュック・ソリテール・ラムセスII・ムーンライト あまり多くは語れませぬ。 ラムセス2世は太陽が生んだ子。太陽はゴールド。 日が沈めば月光。当然。銀だ。
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