ペン先用の地金を造る(その1)
ペン先用の地金は14kか18kが多いが最近では23kやら24kも出てきました。

しかし、もっともバランスに優れているのは14kです。

金が58.5%で残りを銀と銅で割った合金です。

もともと24分率はペン先用の合金を開発するために作られた比率。

そこで生まれたのが14kですが金の品位にうるさいフランスなどは18kを使います。

日本でもジュエリーなどでは18kが最低条件。多くの万年筆ブランドが18kを使用しています。

18kは品位も75%Auと高く、耐食性も優れるが、強度が低く柔らかいのが難点。

現行のペン先が固いというのは強度が低いためなのです。

18kが強いと思われている方が多いですが実はその逆。

筆圧の荷重による変形を抑えるため、ペンの板厚が厚いからです。

厚くなると剛性が上がり変形が抑えられその反力が筆記感の”固さ”として現れるのです。

しかし、今年90周年を迎えたモンブラン最初の”Meisterstück”は18kでした。

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昔の技術ではさぞかし固いと想像してしまいますが、実は凄く柔らかい。

なぜか?それは地金を造る時になましを入れず鍛錬比(加工度)を上げ、

加工硬化を利用していると考えられています。薄くすればその分材料を節約できます。

柔らかいペンが先に欲しいのでは無くコストが目的でもありました。

なおかつ品位を上げるには18kが必要だった。それは14kでも同じ。

1920年代に金を調達するのは大変でした。小メーカーほどペンが柔らかいのはその為です。

というわけで当時のメーカーは地金の薄肉化に必死に取り組んでいました。

現在では人件費のほうが高く省加工のほうがコストが易くなるのかも知れません。

後発メーカーの我々としてはこの18kニブの特性を目標に開発を進めることにしました。

古典をクリアしてこそ未来がある。どうせなら今では得難いペン先を作りたい。

次回はその成分、合金組成についてです。
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by pencluster | 2014-06-05 22:34 | Going the Distance
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こだわりの美麗ヴィンテージ万年筆を中心に少々深堀してご紹介していきたいと思います。
by pencluster
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