ハート穴を開ける
万年筆にはハート穴と言われる穴がペン先のスリットの付け根にある。

ここが空気穴と言う人がいるがそれはまぁ間違いと言わないが本来の目的では無い。

本当の理由はスリット付け根の応力集中を緩和するため。

線上のスリットは理論上応力集中は無限大になり破損の原因になる。

実際は理論値より低い値だが許容応力は簡単に超えてしまう。

そこで穴を開けスリットに発生する応力を緩和させる。

形は円形が最も応力を下げやすいが、昔からハート穴に開けるのが伝統。

古いモンブランのニブ然り。その名の通りハートで。

デザイン的にも遊び心が感じられわくわくするでしょう?

というわけで、我々のニブもハート穴で設計されたが、技術サイドが「できない」と言ってきた。

なぜできないかは説明しない。要するにやったことが無いことはできないということらしい。

ハートの尖ったところが難しいということらしい。

ペン先作りを始めるに当たって素人集団であることが要件であったが、

ネガの部分がでてしまったようだ。

「わかりました。では、伺いますが、このモンブランは90年前のものです。

ハート穴が開いてますね?

90年前の職人ができて、なぜ今より技術が進んだあなたがたができないのでしょう?

私は成功した姿もみたいけど失敗した姿も見てみたい。もとより勉強ですから。

ハートがスペードでもおにぎりになってもいいから」

職人とエンジニアは黙ってしまった。当時はコンピュータすら無かったのである。NCもない。

2週間後、準備が出来たと連絡があるので行ってみると、

ハート穴の金型が出来上がっていた。

b0215343_23183230.jpg


90年前のモンブランより素晴らしいと思う。良い形。やれば出来る。証明してくれました。

b0215343_2354026.jpg


打ち抜きかすもハート!これも何かに使いたい。

b0215343_2371585.jpg


一瞬にして打ち抜く。一瞬にして-ハートが一つになる瞬間だ。

b0215343_23145145.jpg

[PR]
by pencluster | 2014-08-05 23:18 | Going the Distance
<< 刻印を打つ ペン先形にブランクを打ち抜く >>



こだわりの美麗ヴィンテージ万年筆を中心に少々深堀してご紹介していきたいと思います。
by pencluster
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
最新の記事
切り割り
at 2015-07-01 19:56
発見!ダニッシュ・モンブラン..
at 2015-04-01 18:34
ペンポイント溶着
at 2014-11-11 10:38
ペンポイント (その2)
at 2014-10-20 21:50
ペンポイント
at 2014-09-18 18:16
カテゴリ
全体
Room N0. 146
Going the Distance
新着情報
以前の記事
2015年 07月
2015年 04月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 01月
2013年 06月
2012年 08月
2012年 06月
2012年 03月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧