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ペンポイント
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これは万年筆のペン先の一番先端に着いてるペンポイントの素材。

チップ、アロイチップなどともいう。慣例からイリジウムと呼んでしまうこともある。

これまではイリドスミンというイリジウムとオスミウムの合金が使われていた。

産地が限定されていて微妙に配合が異なる。

精錬ではなく鉱物をほぼそのまま使用していた。だから産地で配合が異なる。

砂金のような鉱物を砕いてアークやプラズマで溶かして丸めて玉を作る。

ペン先には「溶着」という方法で付けていた。

なぜ、産出されていたものそのままかというとイリジウムなど白金族は融点が3000度

ほどなのでるつぼで昔は各元素を分離するのが難しく配合で作ることがすることが困難だったから。

もしかしたら今でも精錬はしていないかも知れない。

今ではるつぼでも配合は可能なはずである。

しかし、今はイリジウム合金はペンポイントに使われていない。

ヨーロッパではオスミウムは有害物質に指定されたため

使用が出来なくなったのだ。なぜかというのオスミウムはその名の通り

溶解すると臭い。そのガスが発がん性を持っていることがわかったため

排気設備に非常なコストがかかり使用されなくなった。10年ほど前だ。

その、代わりの登場したのがルテニウムータングステン合金。

性能に遜色はない。が、オスミウムリッチのイリドスミン等と比べると柔らかい。

硬ければ良いというものではないが。

と言うわけで一部のメーカー以外はモンブランもペリカンもイリジウムは使用していない。

「イリジウム」って言いたいために少量入れているところもあるそうだが

オスミウムが入っていなければ性能には寄与しない。只の不純物だ。

このペンポイント、チップともボールとも言われる素材は今では

独ヘレウス社と日本のパイロットだけと聞いている。

ちょっと前まではシェーファーも作っていた。

ロットが多量なので買うのが大変だが今回はアメリカの同業者から譲っていただいた。

海外の同業者は大変協力的で困っていると積極的に手助けしていただけるので大変ありがたい。

次回はいよいよ溶着だ。
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by pencluster | 2014-09-18 18:16 | Going the Distance
ペンの形にする(その2)
昔、久保工業所の久保さんに「修理で失敗することはあるのですか?」

と聞いたことがある。

「そんなことしょっちゅうだ。そりゃあ、がっくり来るよ。でもね、只じゃ起きないのが職人さ」

とニコニコしながら答えられた。

今回の問題にぶつかったときふと思い出した言葉だ。

クリアランスの問題を無かったことにしちまえば・・・。

パッとひらめいた。

「〇〇〇ありますか?」それを早速取り寄せた。

どこにでもあるようなものだが、久保さんのところで見たことがある。

上手く行くはず。。。

だれもが半信半疑。

「こんなの使うの??どうやってやるの~」

「いいから、言うとおりにお願いします」と私。

「上手く行くの?ほんとに~?」

「上手く行かなかったらまた考えましょう」

そして、材料をセットしてプレス。

すると、、、「あれ、ほんとだ、出来てるじゃない!えーっどこで覚えたのこんなの?」

「いえ、思いつきですよ。やってみなきゃわからないですよ。」

このようにして、漸くペンの形が出来上がった。


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by pencluster | 2014-09-12 23:17 | Going the Distance
ペンの形にする
ニブは一枚板でまさにプレス向きの形をしている。

金は柔らかいし、簡単に成形できると思っていたのが甘かった。

圧延後は硬くなっているのでびんびんにバネが利いている。

久保さんは「あぶればいいんだよ」と言われるが、

せっかく圧延した強度が下がってしまうのはいただけない。

まずは、金型。

差厚圧延で0.2から0,4mmn勾配を持った素材を金型に密着させなければならない。

とんでもないことに社員は最初はオス形無しで作ろうとしていた。

ここでは書かないがこの方法は確かに板厚差ををキャンセル出来るが

形状凍結性に著しく欠ける。18kの圧延された素材のスプリングバックも

考慮に入れなければならない。金型で材料をつぶすくらい密着させる必要がある。

それくらい加圧しないとニブの微妙な曲面は作れない。

結局、オス型を作る歯目になり多くの時間をロスしてしまった。

時間は非常に重要である。まさに時は金なり。

顧客に断りを入れるしかなかった。

戦略的にこの12号サイズを選んだ意味も薄れてしまった。

そこで、体制を一新しベテランも加入してもらって出来たオス型がこれだ。

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さすがである。ベテランが加入して見違えるツールが出来た。

昔はそれこそ手作業でペン先の3次元曲面を板厚の勾配を考慮して作っていたのだ。

こんなちっちゃなペン先でも学ぶべきことはたくさんある。

金型がきちんと勾配を持っているクリアランスになっているのかどうやって確認するのか?

これ一つとってもまともに考えることが出来ない。

さぁ、困ったぞ。
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by pencluster | 2014-09-05 09:56 | Going the Distance



こだわりの美麗ヴィンテージ万年筆を中心に少々深堀してご紹介していきたいと思います。
by pencluster
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